Harawata0002

宇ち多゛
東京都葛飾区立石1-18-8、03-3697-5738、14:00〜20:00頃(土曜日は12:00〜)、日休(祝は不定休)

 ここで紹介していくお店の中でも、最も敷居が高く、最も怪しく、最も入りにくいお店がこの宇ち多゛である。開店時の30分くらい前から、常連のお父さん達が、店先に無秩序に集まり始める。真昼間の2時である。この人達は本当に仕事の帰りなのだろうと首を傾げてしまう(笑)。しかも、その人達はほとんどが知り合いで、一見の私なんかが待っているのは場違いというか、居場所がないというか、多分、ダイの男でもひとりではこの雰囲気に押しつぶされてしまうであろう。

 開店時間になると、お店の表と裏の引き戸が開け放たれ、おじさんたちはドヤドヤと入って、定位置にしていると思われる席についていく。その時に、それぞれが「ホネ!」とか、「箸くれ!!」とか、「○○生」とか言いながら座るのである。「ホネ!」とは豚のあごの骨付き肉で、煮込みでもこの部分をすくってだしてくれるのである。これはあっという間に売り切れになるらしく、お店のご主人が注文の数を把握するために割り箸を配るので、「箸くれ!」というのもれっきとした注文になっているという訳だ(笑)。
 また、「○○生」とはビールやホッピーではなく、もつの生を注文しているのである。実際には、本当の生で出てくるのはレバーだけのようで、他のもつは下ごしらえとしてある程度茹でられており、それを好んで食べる方もいるようだ。私の試したタン生も、なるほど旨い!と唸ってしまう代物だった。
 さて、焼き物だが、レバー、ナンコツ、ハツ、カシラ、シロ、ガツ、アブラ、ツルというメニュー構成で、焼き方をワカ焼き・普通・ヨク焼きの3段階で、味付けを塩・タレ・素・ミソの4パターンで注文するようになっている。素というのはあっさりした醤油ダレ、ミソというのはもつ煮込みの汁がかけられる(笑)。このお店は、もつの大きさにも驚かされるが、噛めば噛むほど素材の味をストレートに味わえるのに感動してしまう。そして、これらのもつには、ビールもさることながら、梅割のケミカルなリカーの味がとても良く合うのである。(01.8.24)






1段目:梅割、煮込み(ホネ入り)、煮込み
2段目:タン生、タン生、ガツ(タレ・普通)
3段目:レバー(塩・若焼)、レバー(生・お酢)、ナンコツ(塩・普通)
4段目:シロ(塩・普通)、シロ(塩・若焼)、シロ(素焼き・普通・お酢)
5段目:シロ(味噌・普通)、アブラ(タレ・普通)、アブラ・ハツ(タレ・普通)、
6段目:ツル(タレ・普通)、カシラ(塩・普通)