Harawata0011

ホルモンみすみ
福岡県福岡市中央区春吉3-24-21、092-731-4779、17:00〜22:00、日祝休

 博多でもつを食べるというと、まず最初に万十屋のもつ鍋の名前が挙がる。以前のもつ鍋ブームの時には、六本木に支店が現れたと聞いてわざわざ食べに行ったりした。しかし、支店のそれは、やけに小奇麗で、やけに高い食べ物になっており、博多んもんに「現地とはまったく違う」と言われてがっかりしたのを覚えている。それから数年経ち、「ただの辛いもん好き」から「もつ好き」になった時に、このみすみの存在を知ることとなった。
 初めて行く場合、まずはお店にたどり着くのが大きなハードルなのである。天神の中心部から道を2・3本奥に入っただけなのに、周りは民家の立ち並ぶひっそりとした路地になる。数軒の飲み屋の灯りがあるだけで、それらを一軒一軒確かめながら探すのだ。ようやく「みすみ」と書かれた看板が見つかるが、そこはまるで女将が一人で切り盛りしている場末の小料理屋のような風情だ。(01.7.25)

 引き戸を開けて中に入ると、10人程が座れるカウンターがあるだけで、壁に掛かっている木札には、ホルモン以外はお酒の種類しか書かれていない。料理はこのホルモンだけなのである。カウンターの内側に四角い鉄鍋があり、その中で串に刺されたホルモンが味噌仕立てのスープで煮込まれている。あまり高い温度ではなく、ゆっくりゆっくりと煮込まれているのである。
 ご主人の三角さんはとても当たりの柔らかい方で、一見のお客に対しても「3本くらいから食べてみて、あとから何本でも追加してください。これしかありませんので(笑)」と優しく教えてくれる。ということで、定法どおりまずは3本注文する。小皿にのせられ、味噌のスープをかけて出された後は、お客の好みでネギと一味唐辛子をかけて食べれば良いのである。薬味の中でネギと一味唐辛子が最も好みである私にとっては誠に嬉しい限りである。ホルモンは下から、シロ(小腸)、フワ(肺)、シロ、赤センマイ(胃)の順で串に刺さっている。味噌はあくまでも軽い味付けであり、ホルモンの臭いを抑えるような使われ方はしていない。これもホルモンが新鮮だからだろう。3本目を食べる頃は、ホルモンが人肌くらいの温度になってくる。ハグハグハグとホルモンを食べ、味噌のスープをズーッと飲み干すと、なるほど3本くらいで食べていくのが美味しく食べられるローテーションだと納得できた。いゃぁ、近所にあったら、週に2回くらい千円札一枚払って食べて帰りたいお店だ。
左:こんな風にホルモンが煮込まれている
右:3本くらいずつ頼んで、ネギと一味唐辛子をかけて食べる