Harawata0023

八幸
東京都大田区西蒲田7-29-8、03-3735-8250、17:00〜22:00頃、日休

 JR蒲田駅の西口に降り、ロータリー真ん中の路地を入ると、雑居ビルの2階に看板が出ている。ビル自体、とてもモツ焼き屋さんが入っているような雰囲気ではなく、階段を昇るとサラ金の入り口になるのではないかと緊張してしまうが、藍色に白抜きで「もつやき」「八幸」と書かれた暖簾を見つけてほっとした。

 ここは、あの秋元康をして「日本一のもつ焼き屋」と言わしめるお店で、小料理屋のような店構えが、業界人も入りやすくしているようだ。
 まずはレバ刺しとガツ刺しで様子を窺ってみる。三平@雑色と同じように、レバーは串で出てくる。しかも、豚レバーを塩と化調だけで食べさせるというのは、鮮度に相当な自信があるということだろう。ガツ刺しも三平と同様細切りで、胡麻油がとても良いアクセントになっていてこれも旨い。この胡麻油のアクセントはレバ刺しにも応用してもらえるので、お好きな方は奥さんに「胡麻油かけ」とお願いすればよい。ご主人から「青海苔と七味をちょっち振ると色合いが綺麗になるよ」と言われ、それぞれを振ってくれたのだが、「あぁ〜、ちょっと振りすぎたなぁ」ってあなた(^^; 色合いはさておき、やはりレバーには胡麻油が合います、はい。

レバ刺し、ガツ刺し、レバ刺し(胡麻油かけ・青海苔・七味バージョン)

 次は焼き物である。このお店は味付けが全部塩である。串は小ぶりだが、やはりその鮮度は抜群で、それぞれの肉の味を楽しめるのは、塩ならではの技なのだろう。アブラを塩で食べるのは初めてだが、小ぶりな切り方と香ばしい焼き具合でするっと食べられた。つくねは軟骨部分も入ったたたきで、表面のかりっとした食感を楽しんだ後、中から出てくる肉汁を味わうという代物。これも塩で食べるわけだから、肉の味わいがストレートに伝わるため、一切手抜きができない逸品だ。

カシラ・タン・ハツ・レバー・アブラ、つくね
 のこるメニューはシロとナンコツと子袋。奥さんに聞くと「終わっちゃったんですよぉ〜」とのこと。はやいなぁ〜(^^;
 秋元康が言うように「日本一」とまではいかないかもしれないが、レベルの高い美味しいもつを食べられるお店には違いない。自分がもつ屋さんに求める「豪快さ、猥雑さ」がない分、何かもつを食べた気がしないと言うのが実感ではあるが、こういうお店は通いつめていくうちに、客の方が馴染んでいくものなのだろう。(03.7.3)