Harawata0058

のんき屋
愛知県名古屋市西区名駅2-18-6、052-565-0207、17:00〜22:00(土16:30〜21:30)、日祝休

 名古屋駅周辺が再開発されて久しいが、ノリタケの工場に向かう途中にモツ屋さんが軒を並べる一角があり、そこはいまだに昭和の匂いを漂わせている。駅から10分ほど離れただけで、こういうエリアが残っているのにも驚くが、夕方になると何処からともなく人が集まってくるのにも驚かされる。その中でも一際人だかりが多く、中で飲んでいる人と同じくらい立ち飲みで賑わっているのがのんき屋だ。入り口には大きな鍋で味噌おでんが煮込まれており、中央に焼き台、そして奥に串揚げ用の油がある。それらは暖簾が掛かると同時にフル回転となり、焼き方の親父さんの手は休まる暇がない。

 まずは名古屋味噌文化の3番打者とも言える味噌おでんに喰らいつく。この甘い八丁味噌で煮込まれたシロが所謂どてである。甘い味噌味が嫌いではない私でも、途中からくどく感じるのは、夏という季節だからだろうが、豚のシロ自体についてはとても食べやすく下処理されている。これはとん焼きについても同様で、甘辛のタレは甘さがやや強いが、シロがとても旨いので何本でも食べられそうだ。
 タレにはもう一種類、辛めの醤油ダレを使った辛焼きというメニューがある。今回は心臓(ハツ)で食べてみたが、このタレで全種類食べてみたくなるくらい結構気に入ってしまった。

どて、とん焼き、心臓辛焼き
 さて、メインディッシュの串カツである。テーブルに座るや否や「カツ20本!」なんて叫ぶ人がいるくらい、皆いっぺんにたくさんの注文を入れている。で、からっと揚げられた串カツはホントに旨い。「味噌で」と注文すると、おでんの味噌にさっと通して出されるのだが、カリッとした食感は全くなくならず、ホクホクとした豚肉から肉汁が口の中に広がっていく。2度漬け禁止がお約束のウスターソースで食べても旨い。お土産に買って帰る人がたくさんいるのも良く分かる。レバカツを注文すると、浅い狐色に揚げられてくるのは、中身で熱の入れ具合を変えているからだろうか。因みに塩で食べてみたが、これなら味噌で食べる方が良いかもしれない。

串カツ(味噌)、串カツ(ソース)、レバカツ
 聞くところによれば「生」のオーダーもできるようだし、これから名古屋からの帰りが楽しみになりそうだ。(04.7.28)