Harawata0068

金の字相生町支店
静岡県静岡市清水巴町12-3、0543-52-2817、16:00〜21:00、日休

 平成になって間もない頃、清水に何度か仕事で来る機会があった。まだJリーグなんぞができる前だったのだが、市立病院のロビーにはギブスをはめて松葉杖をついたサッカー少年達が何人もいるのを見て、来る度に驚いていたのを鮮明に覚えている。丁度ちびまるこちゃんが始まった時期でもあり、清水ってお茶や次郎長ばかりじゃないんだと認識を新たにしたものだが、更に最近になってモツの名店があることを知ったのだった。そのお店の名は金の字。清水駅に本店があり、新清水駅と静岡駅にそれぞれ支店があるという。まずは本店に行かねばと思って出かけてみると、店主が風邪をひいて臨時休業になっている。そこで恐る恐る相生町支店に行ってみると、こちらはちゃんと営業していたのでホッとして中に入った。

 金の字といえばもつカレー煮込みなのだそうだ。何十本単位でお持ち帰りする人も多いらしい。まずはそれをいただきながら、サッポロのラガーを飲む。ほ〜、なかなか良いじゃないですか。一度湯がいてクルンと丸まったシロが串に刺され、小麦粉がたっぷり入った昔の給食カレーのようなルーで煮込まれている。きっとこれは清水の人たちのソウルフードなんだろうなぁ。お新香を口直しにしながら、食べちゃあ飲んで、飲んじゃあ食べて、あっという間に手を拭くお絞りカレー色になってしまった(笑)。

サッポロラガー/もつカレー煮込み/お新香(この日はきゅうり)
 もつカレー煮込みがなくなった頃、今度は焼き物の登場である。ほとんどの種類が揃う串焼きは、ネタケースを見るとその新鮮さに感動を覚えてしまう。その中で驚いたのは、鶏の脾臓を焼いたあか焼きだ。串焼きはタレと塩が選べるのだが、このあか焼きはタレだけなのだそうだ。いゃぁ〜初めて食べたけど、これは旨いわ!所謂チレよりも硬く、ほろ苦さも加わって味が濃く、サッポロラガーがぐいぐいいけてしまう。更に拍車をかけるのがポークステーキである。「熱いうちにバターをまぶしてね」と出されたそれは、炭火で焼かれ、肉汁がほとばしり出た豚のロースなのだ。付け合せのセロリのサラダが口直しになるので、ひとりでもペロッと食べられてしまう。

ネタケース/あか焼き/ポークステーキ
 こうなってくると腹もビールでタプタプだ。そこで飲み物を熱燗に替えて、串焼きを塩で食べる。寿司屋の湯飲み茶碗くらい大きな金の字の湯のみに、半分くらいお酒が入ると一合のようだ。日本酒には塩が合いますなぁ。清水の名店の味を堪能したところで、かなり良い調子になってしまいましたとさ。(05.1.12)

豚ナンコツ・レバー・シロ/金の字の湯のみで飲む熱燗