Harawata0097

柿島屋
東京都町田市原町田6-19-9、042-722-3532、16:00〜22:00、水休

 日本にもシルクロードがあるのをご存知だろうか?江戸末期に横浜港が開港されると、日本から生糸や絹の反物が輸出されるようになり、その産地である長野県、山梨県、群馬県から八王子に集められた品物が、原町田を通って横浜に運ばれたのだそうだ。すなわち、その神奈川往還とか浜街道と呼ばれた道が、日本のシルクロードなのだ。
 当時の交通手段は馬。シルクロードの中継地点となった原町田で、馬喰を営んでいたのがこの柿島屋さんの前身である。最初は歩けなくなった馬をつぶし、肉そばにして出したのが始まりで、明治17年(1859年)の創業当時から、馬刺し、肉鍋、肉そばの三品は変わらぬメニューなのだそうだ。

 現在のお店は1994年に移転したもので、面白いのは、お店の中央の席と、窓際と座敷ではメニューの質と値段が違うということだ。本当に質も違うんだろうか(^^; ここはオジサンサラリーマンの特権で、金に糸目はつけずに座敷に座らせてもらうことにした(笑)。
 まずはホッピーを注文し、盛合わせという枝豆・エシャロット・モロキュウの3点セットをつまみに飲み始める。一杯目を飲み終わらないうちに出てきたのは煮込みと馬刺し。どちらも肉の赤身が使われており、舌にまとわりつくような食感が何ともいえない。昔と違って3〜4歳の若馬の赤身が使われているのだそうだ。続いてメンチカツが揚がってきた。おぉっ、これは初めて味わうメンチですなぁ。馬肉メンチっていうのは熊本くらいでしか食べられないんじゃないだろうか。

ホッピー/盛合わせ/煮込み

馬刺し/メンチカツ
 だんだん調子が出てきて色々と追加をする。といっても、そんなに種類があるわけではなく、これで2/3くらいのメニューを制覇しているという状況なのだ(^^; おっ、梅割りがあるじゃないですか。しかも、下町酒場の値段に近い263円とくれば、飲まない訳にはいかんでしょう。梅シロップが別の入れ物にたっぷりと出てくるのが嬉しいですねぇ。さて、次に注文したしぐれ煮は、生姜の香りが加わって、肉でありながらさっぱりと食べられる。これは中継ぎとしていぃですねぇ。チョリソーも豚のそれとは違って、これまたさっぱりした不思議な味わいだ。

梅割り/しぐれ煮/チョリソー
 そしてメインの肉鍋に突入である。鉄鍋の中には若馬の赤身がドーンと並び、ネギ、豆腐、シラタキ、ゴボウ、ニンジン、椎茸、エノキ、青菜が合わせられている。火を入れて特製の味噌だれがグツグツしだし、肉にさっと火が通ったら出来上がりだ。すき焼きのように玉子にさっと付けて食べると・・・馬〜!(殴)。3人でペロッと食べてしまった後は、更に手打ちの蕎麦を入れて堪能する。味噌ダレで食べる蕎麦なのに、すんなりいけてしまうのが不思議だ。安くてゴージャスな気分になれる馬肉店。ん!?はらわたが入っていない(^^; (05.9.20)

肉鍋・前/肉鍋・後/お新香

出来上がり/肉そば