Harawata0115

西口やきとん
東京都台東区浅草橋4-10-2、03-3864-4869、16:30〜22:00(土は16:00〜21:00頃)、日祝休

 JR浅草橋駅西口から左衛門通りに出ると、右手に「やきとん」の立て看が置かれている。その路地を入ると、焼台の外まで溢れんばかりの人で賑わうお店が現れる。そこがかの有名な西口やきとんである。
 かなり前に浅草橋駅のガード下にやきとん屋さんがあるということは聞いていた。その時の話では、「サラリーマンでごった返して立錐の余地がない」、「煙を濛々と上げ焼きが大雑把」等々のnegativeなもので、比較的行きやすい場所ながら優先順位は低かったのである。2003年に現在の場所へ移転してからは、何故か知り合いが足しげく訪ねるようになり、会う人毎に「西口やきとんには行かないのですか?いぃーーですよぉー」と言われるようになってしまった。そんな訳でお店を知ってから約5年、満を持して行ってみると、メニューは多いは、売り切れはあるは、値段は安いは、梅さんは居るは(爆)、ピョン吉は跳ねるは、ヒロシは騒ぐは、半鐘は鳴るは、火消しは走るはで、半分くらいのメニューを堪能するのに半年近くかかってしまった(^^;

 お店は手前の焼台と厨房を囲むカウンターに壁際のテーブルが立ち席、そして奥には座って食べられるテーブル席が設(しつら)えてある。飲み物で1番出ているのは常連さんがボールと呼ぶレモンハイである。ここの酎ハイはただの炭酸割りはなく、基本のボールはレモンハイなのだ。そしてバリエーションは、お茶割り、牛乳割り、群を抜いているのがココア割り(爆)。もう、騙されたと思って飲んでいただきたい。

ボール(レモンハイ)/お茶割り/ココア割り
 ここのネタはやきとんというくらいだから豚である。生で食べられるのはレバーとガツ(湯引き)で、デフォでは味噌ダレがついてくる。頼めば胡麻油・塩も可能だ。

レバー生/ガツ生
 さて、焼き物である。私の場合、レバー半生、ガツ醤油、カシラを最初に注文することが多い。レバーは生も旨いが、表面だけ焼いてタタキ状になった半生は、甘味が増して更に旨くなり、ガツは生醤油の香ばしさがコリッとした食感によく合っていてこれまた旨い。カシラは脂の部分が使われており、体調の良い時は塩で食べるのが良いだろう。色物としてはソーセージというのがある。これはスパムとシシトウを焼いたものだが、スパムの炭焼きは癖になるくらい旨く、これも必ず注文してしまう逸品だ。油揚げとシシトウののきつねと厚揚げとネギの豆腐は、わさび醤油や芥子醤油に付けて食べるのが旨い。カウンターの上には芥子やわさびのチューブが置いてあるので、好きなように使えばよいのだ。

レバー半生/ガツ醤油/カシラ

ナンコツ/シロ/ツクネ

ソーセージ/きつね/豆腐
 至高のはらわたにしては、焼き物の紹介数が少ないと思われるむきもあるだろう。そのこころは西口やきとんは煮込み物がデラ旨だからである。マイベストは皿ナンコツ。テロテロという表現が似合うくらいに煮込まれたナンコツは、鹿児島の味噌を使って煮込まれたとんこつと、充分に渡り合えるくらいの逸品なのだ。それにタンチャーシュー。これも中華料理店の前菜で出てくるタンに、勝るとも劣らない逸品である。路麺大帝にずーっと薦められていた理由がよく分かった(笑)。で、その路麺大帝がおもむろにおフランスパンを注文したのである。何かと思っていると、フランスパンが串に刺さって焼かれて出てきた。これに煮込んだナンコツやタンをのせて食べると・・・もう、タマランチ元会長!!!であった。他にも塩麻婆、塩煮込みなどがあり、未食のチリソース煮込みやデミグラソース煮込みもきっと旨いに違いない(笑)。#クリームソース煮込みは私には無理(^^; しかも、これらが100円〜200円という値段だから、益々もってイカンでしょう〜。箸休めも色々あるが、南米の根菜であるヤーコンは、大根に似た食感でなかなかいける。

皿ナンコツ/タンチャーシュー/塩麻婆

おフランスパン/皿ナンコツのせ/タンチャーシューのせ

塩煮込み/ヤーコン/らっきょう
 今考えると、さっさとお店に行かなかったのは大失態であった。今や思い立った時に気軽に行けるお店として重宝させていただいているが、いつ行っても「過小評価していてごめんなさい」と、心の中でお詫びをしながら飲んでいるのであるm(_ _)m (06.3.24)