Harawata0148


群馬県高崎市通町64、027-324-9866、17:30〜翌1:00 、不定休

 上州と言えばかかあ天下と空っ風である。かかあ天下というのは、女性がよく働くことからきているそうだ。空っ風は、言わずと知れた冬の「赤城おろし」だ。そしてもうひとつ、雷を上州名物に挙げる人が多い。梅雨から夏にかけて、大気が不安定になると頻発するらしい。久しぶりに高崎に来た日も梅雨明け間近の7月半ば、夕方から雷と共に土砂降りの雨が降り出していた。すぐ目の前のビジネスホテルに行くにも、この雨脚ではとても傘なしでは無理だ。高崎駅の出入り口は、学校帰りの高校生達が携帯電話でメールを打ちながら、たまに空を見上げて雲の様子を確認している。メールで誰かに迎えを頼んているのかと思っていたら、30分も待った頃からだんだん雨脚が弱くなってきたではないか。彼等はすぐに止む雨だと分かって待っていたのだ。小降りになったのを確認すると、高校生達は皆それぞれの方向へ走り出したので、それにならってオジサンも一気にビジネスホテルに向かって走ったのだった。このように自然と共に生活をすることがなくなってしまったなぁ。
 そんな思いをしながらも、夜は普通のオジサンに戻ってもつ焼き屋さんの開拓に出た。群馬県は上州もち豚というブランド豚を生産している。それで検索すると、駅の近くで天というお店がヒットしたので、早速行ってみることにした。

 資本が入っていそうなお店で、メニューも色々とあるので客を選ぶようなことはなさそうだ。まずはメニューで気になった塩もつ煮がでてきた。シロモツと、豆腐、人参、玉ねぎ、ニラが塩ベースの出汁とともに鉄鍋で煮込まれている。塩ベースの煮込みは、シロモツ以外は何も入れない場合が多いが、ここのスープは洋風な味わいもするので、このように数種類の具が入っても問題なしだ。一味唐辛子をかけると、なかなか旨い。さて、焼きとんはどうだろうか。くだ、のどなんこつは、顎から伝わるコリコリ感がとても心地良く、カシラ、タンはとてもジューシーで、なるほどこれが上州もち豚かと納得してしまう(笑)。これら塩で注文するものにはパタゴニアの塩が使われ、すべて辛味噌がお皿に添えられいる。これを付けて食べるもよし、一味を付けて食べるもよし、好みによって2種類から選ぶことができるという訳だ。シロ塩には何故か黒胡椒がデフォでかけられてくるが、この店のスタイルなのか、上州スタイルなのかは定かではない。タレ焼きについては、北関東らしく甘辛く濃い味のタレが使われている。ホームページにはガツや子袋もメニューに載っていたが、それらは途中でなくなってしまったといわれた。需要と供給のバランスだろうか。群馬県にはもつ煮込みの有名店がいくつかあるが、もつ文化としてのバリエーションは広くはないということだろうか。
 焼きエリンギの柚子胡椒和え、きのこのワサビ醤油炒め、自家製秋刀魚燻製などは、一品料理としてかなり旨かったので、ここはもつ焼き屋さんというより、もつ焼きを食べられる居酒屋さんと思った方が良いのかもしれない。ただ、最後の最後にホッピーがあるのが分かって頼んだら、あまりの焼酎の少なさに唖然とした(^^; ホッピー文化はまだしっかり浸透していないのかもしれないな。(08.7.16)

ビール/お通しキャベツ/塩もつ煮

焼きエリンギの柚子胡椒和え/くだ/のどなんこつ

かしら/タン/シロ塩

シロタレ/レバー/なんこつつくね

エイヒレ/きのこのワサビ醤油炒め/自家製秋刀魚燻製

島美人お湯割り/ホッピー