Harawata0037

鳥七
東京都品川区大井4-2-12、03-3776-2737、18:00頃〜23:00、日祝休

 JR大井町駅西口から阪急前を通り過ぎ、大井西銀座通りを入って左に折れると、大井町ハラワタ文化の中でも長老格と言えるお店が現れる。

 その日はお店の看板に電気が点いておらず、恐る恐る縄のれんを分けて中を覗くと、既に半分以上の席が埋まっていたという(^^; 危うく諦めるところだった。
 ご主人はモツを焼き続けてかれこれ30年になるという。奥さんはお酒の用意をしたり配膳をしたりと、ひとりで何役もの仕事をこなしている。そんな訳で、焼き物の注文はお客が伝票に書いて渡すようになっているようだ。
 さてさて、まずは牛煮込みが出てきた。牛すじが豆腐とコンニャクと共に醤油味で煮込まれ、ネギと肉汁が口の中で良い具合に絡み合う。これを牛丼みたいにして食べたら旨いだろうなぁ。唯一の刺身物はガツ刺しで、お酢の入ったタレがかけられており、添えられた辛味噌や芥子を付けて食べるようになっている。
 しばらくすると、ご主人の焼くモツができあがってきた。備長炭で焼かれたそれぞれのモツは、各部位の焼き具合が絶妙で、どれを食べてもギュッと詰まった肉汁がしたたる逸品である。特に香ばしさと柔らかさが一体となったてっぽうは、いつまでも噛んでいたくなるような気持ちになる(笑)。モツではないが、このお店の人気商品であるトマトのチーズ肉巻きは、熱せられたトマトの酸味と薄切り豚肉の肉汁が、何ともいえない旨さだった。
 老夫婦で切り盛りするお店なので、テンポはお世辞にも良いとはいえない。こういうところはひとりかふたりで来た方が良いのだろう。しかし、気分良く帰ることのできるお店には違いないのである。(03.11.12)



上段:牛煮込み、ガツ刺し
中段:てっぽう、かしら、はつ
下段:タン、レバー、トマトのチーズ肉巻き