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もつ擴 薬院店
福岡県福岡市中央区薬院2-16-14、092-733-3533、18:00〜翌2:00(日祝〜0:00)、木休

 昭和末期のバブル経済時代に、モツ鍋ブームというのがあった。博多系のモツ鍋である。かの名店「万十屋」をはじめ、東京のいたるところにお店ができたが、バブル崩壊と共に1軒もなくなってしまったのは記憶に新しい。東京ほど極端ではないものの、博多でも同様な現象はあったようで、今でも残っているお店は優良店ということであろう(笑)。
 さて、このもつ擴薬院店は西鉄薬院駅と地下鉄赤坂駅のちょうど中間くらいにあるが、一本路地に入った処だけにちょっと探すことになるかもしれない。しかし、普通とはちょっと違うモツ鍋の食べ方ができるので、是非食べに行って欲しいお店だ。

 モツ鍋ブームを体験した関東人には、博多のモツ鍋は全てピリ辛というイメージが浸透してしまった。ほとんど全てのモツ鍋が唐辛子の入る赤い色をしたピリ辛スープだったからだ。しかし、ここは博多でも珍しいポン酢で食べさせる処なのである。聞くと生ものもポン酢だという。これは珍しくないか(^^;
 まずは鉄板焼きメニューから注文すると、焼き物は全て千切りキャベツに乗せられ、やはりポン酢がかけられて「キャベツと一緒に食べてください」と言われる。言われるままに食べてみると、香ばしく焼かれたナカミが非常にすっきりした味わいになり、ビールでも焼酎でもどんどんいけてしまうくらい旨い。特にモツ(丸腸)の香ばしさとキャベツのポン酢の相性は抜群で、これをベースにしたもつ擴とじ(丸腸とニラの玉子とじ)も女性に人気が高いようだ。
 モツ鍋には何と餃子の皮がのり(笑)、ポン酢で食べるとまるでしゃぶしゃぶを食べているような気になってくる。具はモツだけではなく豚のバラ肉とのミックス(もつバラ鍋)も選べるようになっており、味わいを変えながら食べることも可能だ。本当は最後にラーメンを入れ、大量の黒胡麻とともに煮詰めて食べるのが、ここのお店の定番なのだが、流石にそれが入る余地は残っていなかった。次回は是非食べてみよう。
 店員さんの客あしらいも素晴らしく、大満足と大満腹で久しぶりにこの夜は1軒で終了となってしまった。(04.1.19)




上段:キムチ、センマイ刺し、もつ焼き
中段:ぽんぽん(ハツシタ)、もつ擴とじ
下段:もつバラ鍋(餃子の皮がのる)、もつバラ鍋(火の通ったところ)、ポン酢でいただきます