Harawata0056

大衆焼肉 ジンギスカン
神奈川県鎌倉市大船1-21-19、0467-45-6502、17:00〜22:00、4日・14日・24日休

 大船駅東口の駅前商店街から仲通り商店街は、私の第二次成長期を形成した場所のひとつである。ドーナツ盤レコードやジーンズを初めて買ったのも、店屋物の天丼を初めて食べたのも、ラーメン屋さんで初めて並んで食べたのも、全部大船駅東口のお店だった。その中で唯一残っているのは、ことぶきというラーメン屋さんだけだが、その頃からずーっと続いているお店は少なくない。仲通り商店街から大船小学校の方へ抜けていくと、スナックや飲食店が立ち並ぶ界隈となり、そこには'70代から営業している大衆焼肉ジンギスカンというお店がある。見た目はいかにも大衆焼肉店で、ブラッと入るには勇気が要りそうな店構えだが、たまに並んで待っている人がいるのを見て大いに気になっていたのだ。

 店内は厨房を囲むカウンター席に、4人掛けのテーブルが4〜5卓ある。カウンターで食べている人を見るとほとんどが1人客。焼肉屋さんに1人で食べにくる客が多いというのは、何かあるに違いないと思いながら席に着いた。
 壁に掛かった油まみれの品書きを見ると、ジンギスカンやホルモン系の肉が250円、一番高い肉でもカルビの450円という値段だ。これでどれくらい出てくるのだろうと思って待っていると、普通の焼肉屋さんとほとんど変わらない量だ。2000円も飲み食いしたら腹がパンパンになりそうだから、コストパフォーマンスの良いモツ屋さんと一緒ということだろう。また、ジンギスカンといってもラム肉をそう称しているだけで、あの鉄兜型の鉄板で焼く訳ではなく、古典的なガスの焼台が使われている。マッチで火を点けるのも風情があってよろしい(笑)。
 さて、肝心の味の方だが、決して値頃というだけで終わってはいない。ラムは臭みや癖がなく、札幌で食べるものと全く遜色がないし、ホルモン系も肉感があり、それぞれの旨さを堪能することができる。焼肉屋さんにしては早仕舞いだと思ったら、肉がなくなり次第閉店だという。すなわち、毎日使い切りということだ。肉も旨いがキムチも実に旨い。30分も経つとホッピーの酔いも手伝って、「トン・ジンにキムチもお替りくださーい」と常連さんに倣って叫んでいた(笑)。(04.7.17)

「ジンギスカン・ホルモン・レバー・ミノ・野菜」、「カルビ・タン・ハツ」、「ホルモン・ジンギスカン」

こんな感じで少しずつ焼いて食べましょう

キムチ