Harawata0057

博多 こっこ家
福岡県福岡市中央区春吉2-2-5、092-762-7007、19:00〜翌2:00(日〜24:00)、火休

 博多といえば中州や天神というエリアが有名処だが、その間に挟まれた春吉は大概素通りされてしまう地味な場所だ。その住吉橋の手前の路地にひっそりと佇むのがこっこ家である。
 カウンター8席と小上がり12席の店内は、開店と同時に埋まってしまい、予約をするのが確実という盛況ぶりだ。こだわりの顔をしたご主人と丁寧な接客の奥さんが、2人で仕切るのに精一杯のキャパシティーだろう。

 メニューは串焼きを中心に、他にもいくつか一品料理が用意されている。串の味付けは基本的にお任せで、焼き加減も素材に合わせて調整されている。
 まずはささみである。ささみの塩焼きに山葵という組み合わせは各処でお目にかかるが、ここは外側が白くなる程度のベリーレア状態で出てくるのだ。食感はまるで求肥(笑)。あれほど歯にへばり付くことはないが、ただの繊維質のようになりがちなささみが、ねっとりしているところが素晴らしい。これは山葵がよく合うわ。次は砂ずり。これも肉汁が味わえる絶妙な焼き加減で、玉ねぎの甘さが良い薬味となっている。とりきもはレアで、ねっとりした食感に甘辛いタレが絡んで旨い。また、すきみは紫蘇と一緒に串に巻かれ、とりかわは香ばしくと、鶏を5種類食べても全く飽きることはない。ネタ自身も朝絞めの鶏を扱うお店だけのことはあるし、手の加え方がこれまた絶妙なので、豚や牛の期待が大いに高まってきた。

ささみ(レア)、砂ずり、とりきも(レア)

すきみ、とりかわ
 次は豚である。九州で串ものを食べる場合、豚バラはそのお店を評価する尺度になるという話を聞いたことがあるが、ここの豚バラはかなり旨い。一本の肉汁だけで焼酎が2杯いける・・・かも(^^; しかし、それにも増して出色なのはダルム。ダルムとは豚の小腸のことだが、香ばしさはとりかわの比でなく、それでいて中はジューシーという焼き加減。これは埼玉屋の上シロと優劣つけがたい逸品だ。また、嬉しいのは、ボイルだけでは食べにくい部分が残るとん足を、しっかり焼いて出してくれること。これなら女性でもがっつりと食べられるだろう(笑)。

豚バラ、ダルム、とん足
 最後に牛である。上みののような脂の少ない部分は塩で、丸腸や赤せんまいのような脂の多い部分はタレで味付けられている。お店のお薦めでもある丸腸は、流石博多と言いたくなるくらい旨い。

上みの、丸腸・赤せんまい
 他の一品料理も必ずお店の手が入ったものが食べられる。箸休めというよりは、それを目当てに注文するくらい、串もの同様に旨かった。(04.7.21)

米茄子田楽、自家製さつま揚げ