Harawata0090
福田フライ
神奈川県横浜市中区野毛町2-71、電話不明、16:00〜23:00(日は昼〜20:00)、月・祝休
昭和23年から営業している立ち飲みのお店。看板にもどこにも福田フライという屋号は出ていないのだが、誰もがここを野毛の福田フライと呼び、最近は「FF」という略称でも親しまれている名店だ(笑)。常連の多くはお母さんの笑顔を見たくて来ているし、初めての人もそれに感動してリピーターと化しているのは間違いない事実である。そして2004年の改装後から和職人の息子さんもお店に立つようになると、刺身や鉄板焼きのメニューが加わり、更に人気に拍車がかかっている。
では、何故今になって福田フライなのか。勿論お店の存在は前々から知っていた。しかし、野毛に来ると三陽の親方に拉致されてしまうので、はす向かいにある福田フライまで辿り着けなかったのである(爆)。#本当の話(^^; しかし、鉄板焼きにはモツ系のメニューもあると聞いたら、これは行かずにはおれんでしょう〜。ということで、2005年のラマダン明けに食べに行ったのだった。当然、その日は三陽の前を通らず、遠回りして西側からお店に入ったという事実(^^;
入り口近くにはフライヤーが置かれ、そこでお母さんが無駄のない動きで揚げ物を作っている。そして酎杯のサーバーを隔てて奥の半分が息子さんの領域だ。そこでは刺身を捌いたり、煮物・焼き物を作ったり、鉄板でホルモンを炒めたりと、八面六臂の働きで注文を捌いている。
まずはお母さんのフライと漬物から書かなければならないだろう。フライは1本ずつからの注文も可能な良心的経営だ(笑)。ネタは魚介がメインで、あとはクジラと鶏のレバー・ハツ・砂肝、それと野菜である。コロモを付けて揚げられるのは魚介とクジラで、鶏と野菜は素揚げされて出てくる。タレなしでたのむと味の素が全体にふられ、お皿と一緒にソースと芥子を渡してくれる。アサリや鰯や鯵などは、そのまま食べるか、ソースと芥子をちょっと付けて食べるのが旨い。一方「辛いの付けて!」と注文すると、こんがり揚がったフライを、たっぷりのニンニクと唐辛子がちょこっと効いたタレにくぐらせて渡される。このタレがもう抜群に旨いのだ。ゲソとクジラをこのタレで食べれば、ビール3ガロンは楽に飲めてしまう(お約束爆)。そして合間に食べる茄子や胡瓜の漬物のまた旨いこと。開店時間直後に食べるとめっぽう浅く、20:00を過ぎると古漬けに近い酸味が出てくるということは、乳酸菌が生きているという証拠だ。
アサリのフライ/ゲソ・ハツのフライ/クジラのフライ
レバーのフライ/茄子の漬物/胡瓜の漬物
次は息子さんの番である。厨房側のホワイトボードには、常時10ではきかないくらいの魚の名前があり、それぞれ刺身や煮物や焼き物などの食べ方が書かれている。金目を注文すると、和歌山産のあっさりした部分と房総産の脂ののった部分を出してくれた。金目のあっさりが非常に上品な味で、脂ののったものばかりを珍重するという固定概念がもろくも崩れていく。太刀魚の煮付けも茹でツブ貝も、どちらも味付けはかなりあっさりしており、立ち飲みで食べていることを忘れてしまうくらいだ。
金目の刺身/太刀魚煮/茹でツブ貝
さて、その全く逆の方向性で私の琴線を弾いてくれたのは、やはりモツであった(笑)。このお店で焼き物というのは、全て鉄板で炒めることを意味しており、ホルモン系は全て豚のモツ炒めである。メニューにはシロもつ、なんこつ、チート(ガツ)と書かれており、ニラとモヤシと一緒に鉄板焼きされるのだが、これらは是非辛ダレで食べていただきたい。フライの辛ダレと同じように、たっぷりのニンニクと唐辛子が入った醤油ダレは、モツ好きだろうがそうじゃなかろうが、箸をつけた者を虜にしてしまうこと間違いなしである。これで飲むドライな酎ハイが何とも言えずに旨い。間違いなく3ガロ・・・(殴蹴)
そしてもうひとつ。牛すじ煮込みを頼んだ時、「これはいつもできるわけじゃないから禁断のメニューなんだけど・・食べる?」と言われて出されたのが、牛すじ煮込み○ーメ○。バレバレやんかぁ〜(^^; これも辛ダレで食べると旨〜〜い。
シロもつ焼き(辛)/なんこつ焼き(辛)/禁断の牛すじ煮込み○ーメ○
お母さんの笑顔の接客と、息子さんの繊細〜ジャンクな幅広い料理。このゴールデンタッグがある限り、福田フライは野毛のメインイベンターの座を守り続けるであろう。(05.6.30)