Harawata0128

粋仙
宮崎県宮崎市錦町1-68、0985-23-1588、17:00〜22:30、月休

 宮崎県はあまり馴染みのない土地だが、地鶏の炭焼きを出すお店が首都圏でも多くなり、宮崎=地鶏というイメージはすでに定着してるといえるだろう。調べてみると、鶏南蛮などはコンビにでも売られており、地鶏の炭焼きはほとんどの居酒屋で扱われている。そんな中でモツを扱うお店はというと、意外や意外、あらゆるキーワードを並べても、なかなか検索に引っかかってくる処がない。そしてようやく宮崎駅周辺でヒットしたのがこの粋仙であった。出張でJR宮崎駅を降りたのが19:30近く。カード下を150mも歩くと、既に炭焼きの良い香りが漂っている。JRの事務所か何かの建物に沿って右手に廻ると、果たしてそのプレハブが粋仙だった(爆)

 お店に入ると満席で人が溢れ返っており、壁にはスポーツ選手等の色紙が貼られていて、随分前から人気店だということが窺い知れる。運良くカウンターの2席が空き、何とかそこに座ることができた。厨房の後の壁には相当な数の焼酎が置かれており、中でも芋焼酎が多いのは、地鶏も含めて宮崎は薩摩文化が濃いんだなぁと実感する。
 聞けば、ここ粋仙は都城市西岳の麓で放し飼いにして育てた地鶏を使っているのだそうだ。すかさずレバーと心臓と砂肝の刺身に、宮崎の定番モモ焼きとチキン南蛮を注文すると、「今日はチキン南蛮がないんですよぉ」と言われてしまった_| ̄|○ 気を取り直して、宮崎の地ビール「ひでじビール」のピルスナー(きつね)とヴァイツェルン(いのしし)でまずは乾杯をする。キュウリのお通しが出てすぐに、レバー刺しが出来上がってきた。生姜の入った醤油ダレに漬けられたレバーは、ねっとり感とレバーのまったりとした味わいがタレとぴったり合い、旨かぁ〜である。続いて砂肝刺しと心刺しが出てきた。これがまた凄い!ニンニクなんぞで食べたくないくらい新鮮な刺身だ。できれば柚子胡椒で食べたかったが「置いてない」と言われてしまった。で、一味を付けて食べてみると・・・旨〜!!マスターに「心刺しと砂肝刺しとどっちがいい」と聞かれたので、「心刺しは初めて食べましたが、旨いですねぇ」と言うと、「宮崎でも心刺しを出す店は少ないよ。しかもウチはこれだけ新鮮で400円だからね」と笑っていた。素晴らしい!

ひでじビールヴァイツェルン(いのしし)/ピルスナー(きつね)/お通しキュウリ

レバー刺し/砂肝刺し/心臓刺し
 そんな話をしているうちに、モモ焼きが出来上がってきた。これは東京でも食べられるお店が増えてきたが、本場宮崎で食べるとなると感慨もひとしおである。しかも、歯応えが凄い(笑)。途中マヨも欲しくなったが、どうせ「置いてない」と言われると思いやめておいた(^^; そしてらんかん煮である。所謂ちょうちんと呼ばれる部分だが、らんかん(卵管)とはなんとストレートなネーミングか(爆)。今まで食べたのは甘辛い醤油味で煮込まれたパターンばかりだったが、ここでは甘い味付けではあるものの一般的な煮物に近い薄い醤油味だ。これなら日本酒にも合うかもしれない。

モモ焼き/らんかん煮
 更に串物を食べたいところだったが、せっかく宮崎に来たから他のお店でチキン南蛮を食べようと、ここでお勘定にしてもらった。すると、焼台の方から「心刺しを食べた方にサービスです」と、大動脈の串焼きが出てきた。おぉ、鶏の大動脈なんて初めてだ。コリコリ感に加え、意外に油が滴ってくるのには驚いた。いゃぁ、良い経験させていただきました。恐るべし粋仙!(06.10.26)

大動脈串焼き