Harawata0178
Meat Market Island
神奈川県横浜市中区常磐町6-75、045-664-5181、17:30〜翌4:00頃、日祝休
店主とは長いお付き合いである。2000年8月に上大岡に最初のお店を出してからの付き合いだ。名古屋、川崎での支店展開の際にも食べに行ったし、その後腰を据えた関内のお店には、色々な知り合いを連れて行って食べていた。そして、今までの業務をきれいさっぱり辞め、新しくモツを扱うお店を出すと聞いたのは、2009年の秋のことだった。確かに、関内で祝日にやっていた「ことり事務所」でのホルモン料理は旨かった。ただ、それはあくまでもお遊びの範疇だと思っていたから、繁盛店をたたんで転業すると聞いた時には、正直驚いた。まぁ、こうと決めたら後には退かない男だし、それがホルモンのお店だというので、お付き合いは続くだろうと思い、新店の開業を待ったのであった。
お店の場所は裏馬車道。横浜の遊び人しか通らないようなエリアだ(笑)。2010年1月22日夜、開店のご挨拶をして、カウンターの端に座らせていただく。店内はまるで小料理屋か割烹のような落ち着いた雰囲気で、とてもホルモン専門店という感じではない。
まずはお通しを見て、店主のマニアック振りを感じ取ってほしい。初日はフワの煮込み・・・マニアックの極みだ(爆)。味噌ベースで煮込まれたフワは実に濃厚で、思わず店主に「これはネギをかけて出した方がいいよ」と偉そうなことを言ってしまう。「気がついたことがあったらどんどん言ってください」と店主から要求されるのも、旧知だからではのことなのだ。その後も、シマチョウのニンニク炒めトマト添え、シマチョウマリネ、モツのコールスローと、行く度に違う手間のかかったお通しで楽しませてもらっている。
お通しのフワ煮込み/シマチョウのニンニク炒めトマト添え/シマチョウマリネ
内臓を一頭買いしているということで、レバ刺しの注文は必須である。初めて食べた時は、レバーがあまりに綺麗な色なので、惚れてまうやろぉーーーーーっ!と小さい声で叫んだ(笑)。レバ刺しは醤油ダレか油ダレかと聞かれるので、好きな方で食べると良い。店主の出自を思い起こさせるネギ油ダレをつけて食べると・・・・・・・・・タマランチ元会長ーーーっ!!!甘い!ひと言でいうとその言葉しかない。まるいのレバ刺しに勝るとも劣らないクオリティーだ。これが500円台で食べられるのだからたまらない。今や珍しくなったタン刺しも当然黒毛和牛だし、ギャラ刺しなどというレア物も食べられる日がある。因みに、店主は客の要望(我儘はNG)を聞いてくれるタイプなので、モツ刺しが数種類ある時は、盛り合わせにできますかと聞いてみるとよい。必ず「いいですよ」と応えてくれるだろう。
レバ刺し/焦がしネギが新鮮な味わい/もつ刺し3点盛り(レバー・センマイ・タン)
タン刺し/ギャラ刺し/シマチョウ刺し
開店当初は、焼き物は串に刺して焼いていたが、手間がかかるし網焼きの方がワイルドに火がとおってホルモンが引き立つと伝えたら、すぐに網焼きになった。焼き物の中で必食のメニューは炙りハラミのカルパッチョ風である。私と一緒に食べに行った自称イタ飯にうるさい元小ボスは、「これはタリアッタだ、タリアッタ」と嬉しそうに食べていた。もうひとつのお薦めはヤン焼きだ。ヤンとはハチノスとセンマイの境目の部分で、下ごしらえで柔らかく茹でられたものを網焼きし、外側に焦げ目が入ったところで提供される。KHC(協和ホルモン倶楽部)の敏腕マネジャーは、レバ刺しとシロ好きで一部に有名だが、ここに来てヤンの旨さに開眼したくらいだ。
炙りハラミのタリアッタ/ヤン焼き/ギャラたれ焼き
入口近くの厨房に見えるのが煮込みの大鍋だ。開店当初は「まくら」という、「みすじ」や「さんかく」と細分化される肩ロースの近くの肉が煮込まれていた。かなり希少な部位なのに、よくもこんなに煮込めるほど仕入れられると感心していたのだが、時間が経つと脂が落ちて味が変わってしまうため、2ヶ月ほど後にもつ煮込みに変更となった。大振りのシロやスジ等が、関東らしいきりっとした味つけで煮込まれ、どさっとのったネギと一緒に食べると、もう至福の世界である。
煮込みの鍋/黒毛和牛煮込み(玉子付き)/もつ煮込み
その他の炒めものや煮込みものも、ことり事務所時代や転業準備期間に研究したものばかりで、どれを選ぶか迷うところだ。ミノペペロンチーノとギャラ柔らか炒めは、ミノとニンニクスライス、ギャラと玉子の取り合わせがバッチリで、両方ともキャベツとの相性がとても良い。ハチノスとトマトのチーズオーブン焼きは、ことり事務所からの人気商品で、柔らかいハチノスとトマトソースとチーズが、まさに三位一体になったビールのお供である。
ミノペペロンチーノ/ギャラ柔らか炒め/ハチノスとトマトのチーズオーブン焼き
店主曰く「Meat Market Islandはもつ鍋がメインのお店」である。ラーメンでもこだわっていた煮干の効いた出汁で、醤油や味噌だけではなく、色々な種類のスープを選んで食べることができる。もつのメインはシロで、更にセンマイやハツが入る。ぷりっぷりのシロは、脂がしっかりついた博多風だが、一押しのきりっとした醤油味で食べると、くどさがないのでどんどん腹に入っていく(^^; 〆はラーメンでも卵おじやでも、はたまた両方でもOKだ。ひとり鍋にも対応してくれるので、匹子のあなたでも大丈夫。ただし、カウンターで携帯電話いじり倒すのだけはやめましょう(^^;
もつ鍋2人前/火がとおって/できあがり
〆のラーメン/〆の卵おじや
店主のこだわりは、日本酒の品揃えにも表れており、珍しい日本酒を飲みたいという左党にも注目されている。日本酒に弱い私が現在調教されつつあり、必ず1〜2杯飲んでしまうという状況にあるのは、ここだけの話だ。(10.1.22)